平成27年3月24~29日紙面

鴨田・大平交番が廃止

 県警本部は三月末で、老朽化が激しく建て替えが困難な財政事情などで、交番や駐在所を統廃合する。岡崎署管内(岡崎市、幸田町)では、岡崎市の鴨田、大平の両交番が廃止される。

 県道岡崎足助線沿いにある鴨田町の鴨田交番。昭和五十(一九七五)年に設置され、北、葵の両中学校区の約一万二千世帯を見守ってきた。

 同署地域課によると、交番設置当時の県道には市内の交通量が集中し、地域防犯の要所となっていた。廃止後に残る担当区域は、岩津、伊賀、大門の三交番などに振り分けられる。

 大樹寺学区(北中学校区内)総代会長の是枝宏明さんは「昨年学区で賽銭泥棒があったときは、交番からすぐに駆けつけてくれて心強かった」と振り返った。「警察は電話一本で対応するというが、やはり不安は残る。しかしその分、『住民で自主パトロールをしよう』という前向きな意見も出ている」

 昭和四十七年に設置され、美川中学校区の約四千二百世帯を受け持つ大平町の大平交番も廃止となる。廃止後は南に約一・五キロメートル離れた美合交番が担当区域を引き継ぐ。

 同署は県警本部による統廃合に伴い、管内全域の担当区域分けを見直し、廃止される交番の担当区域を周辺の交番が受け持つ体制を整えた。対象となる交番は人員を補充する。

 地域住民に対しては、同署の幹部が同席した説明会を開き理解を求めてきた。交番付近の住民の中には、不安を理由に廃止を反対する声も根強いという。

(29日3面)