9月15日~20日紙面

集合店舗「VASE」から情報発信を

 岡崎市康生通東一に空きビルを活用した集合店舗「VASE」がある。八月八日のオープンから一カ月。活気があったころの康生地区の元気を取り戻そうと立ち上がった三十代の店主らは、試行錯誤しながら岡崎の魅力、情報発信の拠点を目指す。

 「VASE」は花瓶や器という意味。ビルに複数の店舗や人が集結することを、美しい花やおいしい料理が一つの花瓶や器に集まることに置き換えた。

 空きビルは三階建て。岡崎市中心部を流れる乙川に架かる殿橋から北へ約三百㍍。県道岡崎足助線沿いにある青を基調とした建物だ。百年以上の歴史がある「ツダインテリア」が入居するビルだったが、昨年七月に閉店。外観はほとんど手を加えていないため、カーテン、壁紙、カーペットを表す「か・か・か」や「C・C・C」の文字や「ツダインテリア」の名称も残っている。

 「VASE」の営業は、ビルの取り壊しが予定される二年後(平成二十九年)の八月までの期間限定。現在、一階にはベトナム料理、ビールバー、輸入家具、二階は雑貨、はんこ、三階に骨盤矯正や体調不良を改善するカイロプラティック―の六店舗が入居している。一階はツダインテリア時代も店舗だったが、二階以上は住居や倉庫だった部分を改造。三階の残りと屋上はイベント時の貸し出しスペースとなっている。二階は五店舗分の空きがあり、出店者を募集している。家賃は月三万円前後。

 オープンから一カ月経過したが、認知度が低く、好調とは言い難い。ランチをメーンとするベトナム料理店では平日は周辺のオフィスで働く会社員、土、日曜は店主の知人らが訪れるという。駐車場が少なく、雨天時は集客に苦戦することも。「集客力が弱いのは確か。チャレンジショップという位置付けであるため、これからいろいろな仕掛けをしてVASEに人が集まるようにしたい。人が集まれば情報も集まる。情報が集まる場であれば人も集まる」

 運営サイドによると、今の「VASE」は発展途上の段階であり、完成形ではないという。「二年間を通して、みんなの夢をかなえるきっかけだったり、新しいことにチャレンジしたりする場になればいい。また、ここを拠点に岡崎のさまざまな情報、魅力を発信できるようにしたい」としている。あす十九日と二十日には常設以外に約十店舗が限定で出店する。

 月曜定休。

(18日3面)