4月26日~5月1日紙面

岡崎たくみ庵で手元美人運動

 岡崎公園観光売店に隣接する休憩所で四月二十九日から五月一日まで、岡崎の伝統産業の体験・見学が楽しめる「城下町わざ工房 たくみ庵」が開かれる。岡崎市、岡崎商工会議所主催。おかざき匠の会協力。

 初日は平林佛具と神尾印房が出展し、らでんの研ぎ出し体験や印章の製作実演。翌三十日は、三浦太鼓店による和太鼓製作、西村香保里さんが貝殻に絵を描くシェルペインティングをそれぞれ実演する。

 最終日の一日には、書家の丹羽勁子さんが主宰する勁草社と草筆教室による大字創作体験。同教室の児童・生徒が講師となって正しい鉛筆の持ち方を指導する「手元美人運動」も合わせて展開する。

 体験は一部有料。午前十時~午後四時。

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 たくみ庵の開催に先立ち二十五日、同市井田町の草筆教室井田教室で手元美人運動に参加する児童・生徒への説明会が行われた。

 集まった小学四年生~中学一年生計六人の前で、丹羽さんは運動の趣旨や来場者への声掛け方法、正しい持ち方を確認する際のポイントなどを解説。丹羽さんを来場者に見立てて声掛けから指導までを実践し、本番に備えた。

 平成十九年から手元美人運動に取り組んでいる丹羽さん。今回三年ぶりの実施を決めたのは、教室に通う小学一年生の鉛筆の持ち方を見たのがきっかけ。ほかの児童・生徒に話を聞くと、入学と同時に通い始めた児童だけでなく、保育園・幼稚園の頃から通って正しい持ち方を身に付けた児童が、小学校に入学してから持ち方を変えてしまった例もあったという。

 その多くが、専門知識を持たない担任教諭から別の持ち方に直すよう指導を受けていたため、子どもたちが間違った持ち方を身に付けてしまうことに危機感を覚え、たくみ庵の開催に合わせて運動の実施を決めた。

 丹羽さんは「ちゃんとした持ち方を身に付けるのは、子どもたちの将来にとって必ずプラスになります。こうして手元美人運動を行うのも、気付いた人間がやらなければ、という使命感が大きいですね」と運動に掛ける思いを語る。

(27日3面)