12月27日~29日紙面

詐欺阻止で県警本部長感謝状 岡崎信金

 岡崎署で二十六日、一部高齢者を対象にキャッシュカードによる振り込み限度額をゼロ円とする制度を設け、還付金詐欺などの振り込め詐欺被害防止に大きく貢献したとして、岡崎信用金庫に県警本部長感謝状が贈られた。

 同制度は、過去三年以内に現金自動預払機(ATM)からキャッシュカードでの振込みを行っていない七十歳以上の顧客を対象に、振り込み限度額をゼロ円とする制度。日頃ATMを利用しない高齢者が詐欺の標的になりやすいことから、同信金が十一月に全国に先駆けて施行したところ、実際に詐欺被害を未然に阻止した。これを受け、県内に本店を置くほかの信金も追従し、十二月から同制度を導入している。

 贈呈式には、県警刑事部・生活安全部の梶浦哲哉参事官、同信金の大河原誠理事長、山内和久署長らが出席。梶浦参事官から大河原理事長に感謝状などが手渡された。

 梶浦参事官は「他県からの問い合わせも多く、全国に広がりを見せる兆しがある。大変素晴らしいこと」と評価。大河原理事長は「業務への影響も懸念されたが、高齢者の被害を目の当たりにして『まずはやってみよう』という姿勢で進めてきた。私どもの取り組みが、他の信金にも広がったことは喜ばしい」と話し、引き続きの協力を約束した。きょう二十七日には、豊川市の豊川信用金庫本店でも贈呈式が行われる予定。

 県内での特殊詐欺被害は、十一月末現在で千十一件(前年同期比二百二十一件増)、被害金額は約三十三億五千万円(同約三億七千万円増)と深刻な状況となっている。

(27日1面)